『生活保護の申請は国民の権利です』(厚生労働省より)
日本の厚生労働省は2020年12月22日、厚生労働省ホームページにおいてついに『生活保護の申請は国民の権利です。生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるものですので、ためらわずにご相談ください。』と、生活が苦しく支援が必要な方はためらわずに生活保護の申請を行うよう促すメッセージを掲載しました。
オンライン生活保護申請システム『フミダン』が提供開始されました
一般社団法人つくろい東京ファンド(代表:稲葉剛)は、オンラインで生活保護申請書類が簡単に作成できるウェブサービス「フミダン」を開始しました。

「フミダン」で以下のことができます。
① オンラインの質問フォームを埋めていくだけで、簡単に生活保護申請書類が作成。PDF形式でダウンロードし、それを印刷し福祉事務所へ自分の手で提出することで、生活保護の申請ができる。
② 東京都23区の福祉事務所へ、作成した申請書類をオンライン上から直接FAXで送信、オンラインでの生活保護のFAX申請ができる。(2021年1月3日まで試験運用中)
詳しい説明はこちら(つくろい東京ファンド)をご覧ください。
路上からもできる私の生活保護申請ガイド(PDFダウンロード)
生活保護を申請する際に事前知識があると役に立ちます。
書籍『路上からもできる私の生活保護申請ガイド』はPDFファイルにて無料でダウンロードできます。
まずはダウンロードしてみて申請手続きに何が必要か、どうすればよいのかを学んでみてください。

生活保護を受けると車も手放さなければならない、と言うのは誤解
困窮状態に陥った方が生活保護の申請をためらうことがないように厚生労働省は、自動車などの保有を一定の条件のもと認めるよう、再三にわたって全国の福祉課へ指示・指導をしています。
特に地方では自動車は生活になくてはならない「足」であり、車なくして日常生活を送ることはほとんど不可能であるという現実があります。
であるにも関わらず、自動車を保有していることを理由に生活保護申請を拒否するなど、福祉事務所の窓口現場では依然、不適切な対応がなされているケースが多々あるというのが実態です。
以下の藤田孝典さん(社会福祉士)の記事では、自動車の保有と生活保護制度に関して言及されているとともに、相談先リストも記載されていますので、生活保護申請についてお悩みの方・申請が通らず拒否されたりした方はぜひ連絡を取ってみてください。
実は生活保護制度では自動車保有を認めたり、親族への連絡をしない事例が増加 生活保護申請も検討を(Yahoo!ニュース 個人コーナー 藤田孝典さん寄稿)
生活保護申請をためらわせることがないように 厚生労働省が再三にわたって全国の福祉課へ注意喚起(Yahoo!ニュース 個人コーナー 藤田孝典さん寄稿)
以下、記事内からの引用です。
通勤用自動車は期間限定で保有できる
通勤用自動車の保有については、「新型コロナウイルス感染防止等のための生活保護業務等における対応について」(令和2年4月7日付厚生労働省社会・援護局保護課事務連 絡(5月 26 日付事務連絡の別添1)の2の(2)で留意点をお示ししているところであるが、保護開始時において保有を認めた通勤用自動車については、10 月以降、順次、課長通知第3の問9-2に定める6箇月が経過することになる。 しかしながら、現下の状況を鑑みると、引き続き就労が途絶えている場合も多いと思料されることから、こうした被保護者に対しては、同課長通知に準じ、保護開始時から概ね1年を目途に引き続き同様の対応を実施されたい。
つまり、生活保護申請から当面の間、自動車の保有を認めている。
公共交通機関がない場所は言うまでもなく、都市部でも仕事探しや就労、子育てのために自動車が欠かせない場合もある。
自動車を手放した場合、再度取得することは難しいこともあり、限定的に保有やその活用を認めている。
だから、生活保護を受けると車も手放さなければならない、と言うのは誤解である。 生活保護申請の際に、福祉課には就労のために必要だと説明をしてほしい。
Yahoo!ニュース記事「実は生活保護制度では自動車保有を認めたり、親族への連絡をしない事例が増加 生活保護申請も検討を」
住まいの貧困に取り組むネットワーク世話人である稲葉剛さんは、『コロナ禍で自動車の保有は若干、緩和されていますが、地方の現状に合わせてさらなる緩和が必要』と、生活保護制度をより利用しやすいものとするよう制度運用の改善を訴えています。
コロナ禍で自動車の保有は若干、緩和されていますが、地方の現状に合わせて、さらなる緩和が必要だと思います。
— 稲葉剛 (@inabatsuyoshi) January 28, 2021
Q18 失業や自宅待機による減収で生活保護を利用する場合、自動車は処分しなければなりませんか?https://t.co/FR3wjlxI2l https://t.co/rfytZHPzRC
借金・ローンと生活保護の関係
生活保護の受給要件に借金は関係ないものの、生活保護費自体は衣食住といった「最低限度の生活」のために支給されるお金のため、それを借金の返済に使うことはできません。
生活保護費で借金を返済したり、新たな借金をして発覚した場合は、不正受給とみなされ生活保護費の支給が停止・打ち切りになる可能性が高いです。
参考:債務整理・相談広場『生活保護で借金は消えない|受給中の返済や新たな借入は厳禁!』
現在ある借金に関しては、弁護士などと相談して債務整理を行うことによって解決する方法があります。
※債務整理とは……借金がかさんで返済ができなくなった人を救済するための手続き。任意整理・特定調停・個人再生・自己破産の4種類があり、借金を減額したりゼロにしたりできる。ただしそれぞれの方法にメリットとデメリットがある。
弁護士に相談すればあなたにとって最適な債務整理方法を教えてくれます。「法テラス(日本司法支援センター)」では弁護士が無料で相談を受け付けています。
コロナウイルス感染症対策のため、法テラスは現在電話・オンラインによる無料法律相談も実施しています。
低所得であれば弁護士費用も立て替えや免除が可能となります。
全国に事務所がありますので、お近くの法テラスに連絡を取ってみてください。
新型コロナの影響で収入減少した30代男性。病気があるので働けない妻と二人暮らし。
— 藤田孝典 (@fujitatakanori) January 2, 2021
収入減少によりクレジットカードの支払いが出来なくなっている。他にも銀行などに借金がある。
法テラスを利用して弁護士による債務整理が必要な事例。
低所得であれば弁護士費用も立て替えや免除可能。
キャッシング、カードローンなど借金が返済できなくなってしまった場合でも、低所得であれば、無料の法律相談窓口があります。法テラスという機関です。
— 藤田孝典 (@fujitatakanori) January 31, 2021
こちらも気軽に活用ください。
「民事法律扶助制度」を使った無料法律相談とは…https://t.co/oVsEs2NYaf
それでもどうしたらいいかわからなかったら藤田孝典さんに相談しよう
NPO法人ほっとプラス代表・社会福祉士の藤田孝典さんがTwitterで生活にお困りの方からのDMを受け付けています。
どうしたらいいのかわからない・生活や生活保護について相談したい方は藤田さんにTwitterでDMを送ってみましょう。
きっと生きるためにはどうしたらいいか、現実的な支援につながるアドバイスをもらえるはずです!
全国に支援ネットワークがあり、研修や講座を繰り返し、新規の支援員増強にも力を入れています。
— 藤田孝典 (@fujitatakanori) January 29, 2021
個人情報があるので、DMへ連絡いただければ、相談支援先を紹介したり、手続きの同行なども可能です。
困ったなーという時はだいたい支援制度があります。
気軽に相談ください。 https://t.co/JnSuEWD7iB
1月29日TwitterのDM相談は36件でした。
— 藤田孝典 (@fujitatakanori) January 29, 2021
順番に返信していきます。未返信になっている場合、再度、送信ください。
生活費が足りない、借金で生活を回している、無理して働いている、仕事がない、仕事減らされている。
色々気軽に連絡ください。#一刻も早い給付金を要求します#Twitter一揆0129
日弁連パンフレット『あなたも使える生活保護』
日弁連(日本弁護士連合会)が制作した生活保護に関するパンフレット、『「実は少ししんどい」あなたへ あなたも使える生活保護』。
ご自身が生活保護の申請が可能かどうかお知りになりたい方はダウンロードしてご覧になってみてください。
巻末には生活保護申請書もついています。
持ち家があったり、車を所有している場合でも生活保護の申請は可能である点、親族の扶養は強制ではないことなど、生活保護に関するよくある誤解についても解説されています。