その極小の粒子は、食品だけでなく、新型コロナウイルスのmRNAワクチンにも含まれています。
その背景について説明しておきましょう。
皆さん覚えているでしょうか? 3年前にトランプ前大統領が、ワープスピード作戦の名のもとに、ワクチン開発を急ピッチで進めた時、 mRNAワクチンの技術に関して、科学界から信じられない速さで反応が返ってきました。
通常なら、新たなワクチン創薬には10年以上かかります。
しかし、ワープスピード作戦では、たった11ヶ月余りで完成に至ったのです。
なぜそんなに早くできたのか?答えは実はシンプルです。
数十年前から始まっていたナノテクノロジーの研究が、mRNAワクチンの製造に応用されたからです。
ご存知のように、一般的なワクチンは、体の免疫システムに抗原を入り込ませることを目的としています。
抗原とは、ウイルスなどの病原体が持つ特有のタンパク質で、実際に感染した時のために免疫システムがそれを記憶するのです。
抗原の小さな断片を取り込むことで、人体に備わる反応システムを訓練し、
感染症を撃退するようにするというのが、従来のワクチンのポイントです。
ところが、90年代になると、科学者たちは別のアイディアを思いつきました。
抗原を注射する代わりにmRNAを用いて、私たちの細胞を再プログラムし、
細胞自身がウイルス抗原を作れるのではないかと考えたのです。
つまり、ウイルスの遺伝子配列が決定されたら、そこからmRNAコードの断片を選んで設計図に作り直し、
その設計図を細胞に注射することで、細胞は必要な抗原を複製できるのではないかと考えたのです。
さて、こうしたアプローチの変更により、迅速なワクチン開発が理論上は可能になりました。
なぜなら、ウイルスの遺伝子配列さえわかれば、科学者は数週間あるいは数日でワクチンのプロトタイプを完成させ、テストを行うことができるからです。
ところが、これまで大手製薬会社は、このアプローチを取る上での技術的な障害に直面していました。
それは何かというと、科学者たちはmRNAを体内の目的の場所に誘導できる単体を作れなかったのです。
なぜなら、mRNAは体内に取り入れられるとあらゆる場所に拡散する傾向があるほか、そのままでは細胞膜をなかなか通過できないからです。
mRNAを細胞に送り届けるためには、細胞膜を通過させる必要がありますが、mRNA単体だとリボヌクレアーゼという酵素に攻撃されてしまいます。
私たちの体は潜在的な脅威に対して自然に反応しますが、この酵素はまさにそういう働きをするのです。
つまり、このmRNAを破壊する天然酵素が障害となっていたため、科学者たちは遺伝子ワクチンを使用できなかったのです。
そんな中、登場したのがナノテクノロジーでした。
科学者らは、脂質ナノ粒子を使ってmRNAをより安定化させる方法を発見したのです。
脂質ナノ粒子は小さなボール状の層状脂質で、粒子内部にmRNA配列を埋め込むことができます。
プラスに帯電している脂質ナノ粒子は、マイナスに帯電した細胞膜に付着します。
細胞も脂質層で覆われているため、脂質ナノ粒子の中のmRNAは細胞膜を通過して細胞に入り込み、機能を発揮することができるのです。
アメリカ科学界の一部門であるケミカル・アブストラクトサービスは、このプロセスを次のように説明しています。
脂質ナノ粒子は、ファイザー、ビヨンテックとモデルナの新型コロナウイルスmRNAワクチンの重要な構成要素だ。
脂質ナノ粒子はmRNAを保護して、細胞内の適切な場所に効率的に輸送する上で重要な役割を担っている。
開発中の多くの新型コロナワクチンの中で、感染予防において最も望ましい結果を示しているこの2つのワクチンは、新たなクラスのワクチン製品であり、脂質ナノ粒子のカプセルに包まれたmRNAさを含んでいる。
この2年間はmRNA技術についての話で持ち切りでした。
実は、ナノテクノロジーの開発がmRNAワクチンを実現させたのです。
近い将来、この種のmRNAやナノテクノロジーを使ったワクチン製品はさらに増えることでしょう。
実際ファイザーは、ガンのmRNAワクチン、体状方針のmRNAワクチンなど様々な構想を発表しており、アメリカ国立衛生研究所もHIVやその他のmRNAワクチンの新たな試験を発表しています。
メーカーはこれらの方向に向かっているようです。
しかし、ナノ粒子は長期的に人体にどのような影響を及ぼすのか大きな疑問が残ります。
血液の関門を通過できるという事実は示されています。
人体に注射される前に、あるいは食べ物に注入される前に、ナノ粒子の長期的な影響を確認すべきではなかったでしょうか。
現時点では、ナノ粒子は安全であり心配は何もないというのが科学的なコンセプトです。
二酸化チタンなどが使用されているほか、固化防止剤として二酸化ケイ素が使用されることもあります。
栄養価を高めるための酸化鉄や酸化アーエンが見つかるかもしれません。
抗菌剤として使用される様々な誘導体が見つかるかもしれません。
さらに炭酸カルシウム、磷酸カルシウムなど多くの成分を見つけることでしょう。
言い出したらキリがありません。
さて、なぜこのような微小の粒子が食品に入れられるようになったのでしょうか。
話は今から30年ほど前の90年代に遡ります。
当時、科学者たちはナノ粒子が食品をよりカラフルかつ鮮やかに見せることができ、
食感をよりクリーミーあるいはクリスピーにすることができ、
さらには鮮度をより長く保つことができることを発見したのです。
そうしてナノテクノロジーが食料品の製造過程で広く使われるようになっていきました。
また一部のメーカーはナノ粒子を食品だけではなく食品の包装にも使用しました。
例えばこの牛乳パックにはナノテクノロジーが応用されており、
牛乳の鮮度を示すインジケーターとしての機能を備えています。
中の食品の変化に合わせてパックの色も変化するというわけです。
他にもこのナノ粒子状の添加物を特定の医薬品に加えることで
その薬効を高めることを発見した研究者もいました。
ところがこの添加物ナノ粒子が持つ無数の利点にはどうやら落とし穴があったようです。
とてつもなく小さいこれらの粒子ですが、
例えばこちらの研究によれば血液と脳組織間の物質の移動を制限する
血液脳幹紋でもナノ粒子なら突破できてしまうそうです。
この研究者たちは神経疾患を治療するためにナノ粒子の機能を調べていました。
神経疾患を治療するためには血液脳幹紋を突破できる薬が必要だからです。
さらに他の研究によればこれらの粒子は血液脳幹紋を突破するだけでなく
体内を循環して血液や臓器に吸収され細胞壁を貫通し
炎症やその他の症状を引き起こす可能性があるといいます。
例えばハーバード大学公衆衛生大学院の研究者であるジョージ・ピルギオタキス医師は次のように語っています。
それらは腸の内壁を通過して血液に入り込み炎症や免疫反応を引き起こす可能性があるほか
肺・心臓・生殖器など体の各部位に蓄積される可能性もある。
またアリゾナ州立大学環境健康工学センター所長のロルフ・ハルデン医師は最近の記事で次のように述べています。
これらの粒子の影響についてはよく分かっていない。
人体はますますこれにさらされているが何が体内に入ってどこに沈着し何をするのかを測定する手立てはない。
彼はこの未知のナノ粒子がもたらす影響についてアスベストに名ぞらえて次のように示唆しています。
アスベストは無機物でありそれ自体は比較的良性な物質だが
その粒子が人体組織に残留するという点で有毒だ。
年間9万人が亡くなっている。
2020年7月マサチューセッツ大学アマースト校のある研究者が二酸化チタンの影響に関する研究を発表しました。
二酸化チタンは最も一般的な食品添加物ナノ粒子の一つでガムキャンディ飲料牛乳デザートなどに使用されています。
研究者たちは二酸化チタンに特有の効果を探るため実験用マウスを2つのグループに分け一方には低脂肪食を
もう一方には高脂肪食を与えた上で両方のグループに二酸化チタンを与えました。
するとどちらのグループでもマウスの腸内細菌に変化が見られ腹痛や下痢に繋がる大腸炎が起こりました。
中でも高脂肪食を与えられた肥満気味ネズミの方が症状がより顕著でした。
必要はなくFDAの監視能力はそれほど包括的ではない。
つまりナノテクノロジーを基盤とする成分の安全性と有効性を審査する上でのFDAの要件は
特定のサブセクションの食品関連製品にのみ適用されるということです。
一般的に安全であるとすでに認識されているものであればそのナノ粒子であっても一般的に安全とみなされます。
ここに問題があることは明らかです。
そもそもなぜナノテクノロジーを利用するのかといえば
それは物質がナノレベルでは根本的に異なる振る舞いを見せるからです。
ですから以前にグラス指定を取得した成分であればスクリーニングの対象外とするというFDAのやり方は懸念に値します。
ナノ粒子を摂取することの安全性や潜在的な危険性を調査する気がFDAにないのであれば
誰に調査する気があるというのでしょうか。
FDAはナノ粒子の潜在的な危険性を認識した上で製品の安全性の確保はメーカー自身の責任だと示唆しているようなのです。
少なくともガイダンスによれば製品の安全性を実証するための正しいデータを集めるために
各メーカーとある種の関係を構築するというのがFDAのプランのようです。
それは彼らが2018年に発表したナノテクノロジー製品の規制に対するFDAのアプローチという別の文書の中でも示されています。
次の通りです。
法的権限により市販前審査が行われない場合、人や動物の健康に対する予期せぬ危害のリスクを低減するために協議が奨励される。
このような場合、FDAは一般に入手可能な情報や自主的に提出された情報を該当する場合には有害事象報告及び市販後調査活動などを監視の対象とする。
ナノテクノロジーの適用に関わる場合、FDAはメーカーに対して製品を市場に出す前にFDAと相談することを勧めている。
FDAが企業に助言し、安全情報を検討し、必要な市販後の安全監視を設計するのにこのような協議は役に立つ。
私は普段は事なかれ主義ですが、こんなに信用ならないことを感化するわけにはいきません。
食品の状態を根本的に変化させるこの新技術の使用に際して、FDAは長期的な健康調査を行うこともなく、ただ理順追求型の食品会社の全員を宛にしているのです。
それでも多くの人はこのナノ粒子の成分について知ることすらありません。
なぜなら企業にはナノ成分を食品のラベルに記載する義務がないからです。
2007年に発表されたFDAのガイダンスにそう明記されています。
馬鹿げています。
次の通りです。
現在の科学ではナノスケール材料を使用した製品がナノスケール材料を使用しない製品よりも安全性に大きな懸念があるという知見は得られていないため、 FDAのナノテクノロジータスクフォースは一般論としてナノスケール材料を含む製品にその旨を表示しなければならないとする根拠はないと考えている。
したがってタスクフォースは現時点では当局がそのような表示を義務付けることを推奨していない。
その代わり、ラベリングにナノスケール材料の使用に関する情報を含める必要があるか、または含めることができるかについてケースバイケースで対処するよう当局に推奨している。
なんとズーズーしい話でしょう。
科学的にはリスクが高いとは言えないのでラベルは必要ないというのですが、ではその科学はナノテクノロジーがもたらす影響について長期的な研究を行ったのでしょうか。
行っていません。
消費者である私たちは暗闇の中に置き去りにされています。
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